北は北海道から南は沖縄まで、全国の映画館を紹介する連載「ギグリーくんさんぽ」第2回目は、兵庫県尼崎市にある映画館「塚口サンサン劇場」の魅力をお届け!営業部の戸村さんにインタビューしたよ!
クスクスッ
まずは、映画館の特徴を教えて~!
戸村さん:来年で開設70年を迎える昔ながらの駅前映画館です。最寄りの阪急塚口駅から徒歩1分、走れば30秒で劇場に着けるので、映画泥棒のCM中に駅に着いても、ちょっと走れば上映開始までには座席に座れるという好立地。 外観は完全に昭和ですが、劇場内は意外と新しいです。特にトイレは、映画館のトイレとは思えない仕様になっており、自称「日本一綺麗なトイレの映画館」と自負しております。
音響にもこだわりがあるんだよね?
戸村さん:野外フェスなどで使用するスピーカーを常設し、当館自らが音響調整をした「特別音響上映」は映画ファンのみならず、オーディオファンからも高い支持をいただいております。
また、マサラ上映というクラッカーを鳴らして紙吹雪を撒いて歌って踊って楽しむ上映会、応援上映などのイベント上映に積極的に取り組んでおり、今では全国から足を運んでいただけるようになりました。
どれも楽しそうなイベントばかり!ぜひ参加してみたいな♪
色んな思い出があると思うけど、印象的なエピソードをひとつ教えて~!
戸村さん:以前、1953年製作の岸恵子主演『君の名は』を35mmフィルムで上映した時、昔のフィルムだったため、上映中に何度もフィルムが切れて、度重なる上映中断をしながら何とか最後まで上映したことがありました。上映終了後にお帰りになるお客様にお詫びをしましたが、皆様いろいろお察しくださったのか、逆に良かったよと声をかけてくださいました。そして、場内から最後に出て来られた 年配のご夫婦にお詫びを申し上げると、奥様が「気にしなくていいですよ。」と優しく声をかけてくださり、「実はね、この映画を見るは今日が2回目なの。」と言って、隣にいるご主人をチラッと見て「初めてこの人と一緒に見た映画が『君の名は』だったの。またこうして2人で、映画館で一緒にこの映画を見られただけでも幸せです。ありがとう。」と言って、照れ笑いをするご主人と2人でゆっくりとした足取りで帰られました。
とっても素敵なエピソードだね~!
これまで沢山の映画を上映されているけど、その中でも思い出深い1本は何ですか?
戸村さん:思い出深い作品は数多くありますが、2019年4月26日(金)~5月2日(木)『AKIRA』1週間限定上映が、映画ファンはもちろん世間的にも非常に大きなインパクトを残せた印象が残っています。東京オリンピックを控えた2019年という劇中と同じ状況という奇跡の年に、5月に元号が変わるというもう一つの奇跡的なタイミングが重なり、しかもゴールデンウィーク期間と、絶対にこの時期に『AKIRA』を上映しようとずっと虎視眈々と狙っていました。昭和の名作を、「平成最後に見た映画が『AKIRA』」「令和最初に見た映画が『AKIRA』」と時代をまたぐということを実体験してもらえたことで、この時に見た『AKIRA』は、映画鑑賞の粋を超えて、時代が変わるイベントのように捉えていただけて、結果的には多くのお客様にお越しいただけ、そして多数のメディアにも取り上げられ、劇場の名前を広く知っていただけることとなり大成功だった思い出があります。
色んなタイミングが重なっての、奇跡的なタイミング!お客様にとっても忘れられない思い出になるね。そういえば、館内の手作りの告知物も気になりました!
戸村さん:当館は様々な告知物をスタッフたちが製作してくれます。地下へ降りる階段の踊り場には上映予定作品の劇場独自のポスターが一面に張り巡らされ、地下1階の待合室には、その時の上映作品にちなんだダンボールアートが展示していたりと、映画を劇場全体で楽しんでいただけるような工夫をしております。
YouTubeで映画紹介も行っているんだよね!
戸村さん:YouTubeチャンネル「映画館のある生活」(https://www.youtube.com/channel/UCkFCe844neCJmJt6ixniTMg)を毎週月曜日と木曜日の2回更新。翌週の上映作品の中からオススメをご紹介しています。また、Twitterのスペース「尼の塚口のひとり喋り」を毎週金曜日の夜に40分程しております。
映画愛溢れる、映画好きにはたまらない素敵な映画館!
最後に読者の皆さまに一言お願いします。
戸村さん:どなたでも気軽に来られるアットホームな雰囲気で、自他ともに認める「場末の映画館」です。ただ、だからこそできること、塚口にしかできないことはたくさんあります。お客様を驚かせ、楽しませ、笑わせることに全力で取り組み、一生懸命真面目に“遊ぶ”映画館です。「映画を映画館で見ることの楽しさ」を一人でも多くの方に伝えていけるように、「High hospitality Low intelligence」をモットーに、ほどほどに頑張ります。
戸村さん、本日はありがとうございました!
営業部の戸村さん。The WhoのTシャツがとってもお似合いです。
●塚口サンサン劇場
〒661-0012
兵庫県尼崎市南塚口町2丁目1-1-103
TEL:06-6429-3581
公式H.P.:http://www.sunsun.info/
公式Twitter:https://twitter.com/sunsuntheater
●YouTubeチャンネル「映画館のある生活」
戸村さんが映画の魅力を伝える映画紹介チャンネル。是非チェックしてみてください!
https://www.youtube.com/channel/UCkFCe844neCJmJt6ixniTMg